ハローワークは退職後にお世話になるものだと思っていました。
在職中でも登録できるし、ハローワークインターネットに登録すれば自分のパソコンで求人検索も可能なのよ。
ハローワークは厚生労働省管轄の国の行政機関です。昔は『職安』と呼ばれていたのですがイメージが悪かったようで1990年から一般公募で選定された『ハローワーク』という呼称が用いられています。
公共機関なので手数料や紹介料の徴収は無しで運営しています。
転職を何度かしている人でも求人誌や転職サイトなどで転職活動をしていると直接ハローワークにお世話になることはありません。
しかし、会社をいったん辞めて次の就職先が決まっていない場合にはお世話になることになります。
まず、離職票と雇用保険被保険者証を持って失業保険を給付してもらう手続きをしないとなりません。退職したから勝手に失業手当はあなたの口座に振込まれては来ませんね。
失業した時に失業手当を払っていただけるためにあなたの給与から毎月雇用保険料が引かれているのですね。
ただ、前職と同額を払ってしまうと就業意欲を失わせてしまうので6割くらいの給付となっています。
また、いつまでも失業手当を当てにされると国も困ります。
給付期間が、退職理由や年齢、雇用保険の加入年数によって90日~240日と開きがありますが、基本的にすぐに次の仕事に就いてもらうために仕事の斡旋をしてくれます。
本来は失業者のための職業斡旋機関であったのでしょうが、在職中の方でもハローワークで仕事を探すことは可能です。
また、現在ではハローワークインターネットというハローワークの求人が網羅されている求人サイトが整備されていて、誰でも閲覧することが可能です。
この記事は、某地方の某中小企業で営業部長に人事部長も兼務するわたしが実際に会社をハローワークで登録しつつも、「認知が少なくもったいないな」と感じている視点から書かせていただいております。
意外と皆さん求人サイト頼りで転職活動をしがちですが、無料で公共の転職支援ツールを使い倒さないともったいないですよ。
また、これからの時代、失業時の対策も頭に入れておかないと危険ですよ!
ハローワークで在職中に転職は可能なの?
在職中に、ハローワークだけで転職活動をすることも可能です。
以前は、所轄の(自宅から一番近い)ハローワークに赴き、求人者登録をして求職をしました。
そのうち、ハローワーク内に端末(PCのことです!)が設置されて、求職者は窓口で相談するだけでなく自分で仕事を探せるようになりました。
そして2021年9月より、所轄のハローワークに来所せずとも求人検索ができるハローワークインターネットが開設されました。
これ、だれでも登録できて無料で利用できるのです。
リクナビ・マイナビ・dodaなどの一般的求人サイトと同じように求人を検索できるのです!
しかも、公共施設だけあって、求人掲載件数は圧倒的にナンバー1
しかしながら、悲しいかな公共施設のあるあるでユーザーインターフェイスが弱いのです。
つまり、『見た目がパッとしない』のです。
ただ、その求人件数からも分かるように実力はかなりあります。
もう1つ悲しいかな、公共施設ゆえにテレビCMもネット広告もやっていないので認知がとっても悪いだけなのです。
しかしながら、公共機関ゆえに求人掲載情報は正確です。
なぜなら、わたしも勤務先の求人をハローワークに出していますが、仮に虚偽の情報を記載したことが判明すると、ハローワークの登録から外されます。
ハローワークからの登録を外されるということは、高卒・大卒・専門卒の新卒の求人も不可能となり、企業として致命的な痛手をこうむるのです。
そんなリスクを負う企業はありませんよね!
しかも、いつでも密告できるようになっているので、ブラック企業は戦々恐々ですね。
ハローワークで転職をする利用の流れを知りたい!
失業をした場合は、離職票と雇用保険被保険者証の提出をして。失業手当を給付してもらうためにハローワークに行かざるを得ません。
しかし、現在在職中の人がハローワークインターネットを利用して仕事を検索してもいいのです!
ハローワークに求職申し込みをせずに求人を検索したい!
まだそれほど本気で転職を考えているわけではないが、どんな求人があるのか見てみたい!
とお考えの方でも求人検索をすることは可能です。
ハローワークインターネットにアクセスします。
青色の方が求人者用、茶色の方が企業用です。
検索上位にハローワークインターネットを装ったサービスもたくさん出ていてまぎわらしいです。違うサイトに誘導されないように置きお付けください。
↓↓ この画面がハローワークインターネットの初期画面なのでお間違えなく!
青色の『仕事をお探しの方』の🔍求人情報検索をクリックします。
すると、条件検索の画面になるので、自分の希望条件を入力します。
膨大な求人数なので、必須の求人区分のほかに就業場所くらいしぼってから
検索のキーをクリックすると良いですよ。
求人区分の『一般求人』だけの選択でほかに条件をつけずに『検索』をクリックすると
こんなに多くの求人(この時は1,211,940件!画像左上参照)がヒットしてしまいます!
ハローワークインターネット求職者マイページの開設方法
求人数日本ナンバー1の転職サイト(⁈)に登録しない手はありません。
- STEP1まずはメールアドレスを登録します。
- STEP2メールアドレスを入力したらプライバシーポリシー・利用規約に同意します。
- STEP3パスワードを登録します。
- STEP4アカウント仮登録ができたらメールで送られてきた認証キーを入力して新規登録を続行します。
- STEP5あなたの情報を登録していきます。
- STEP6希望職種・時間等を登録します。
4.希望勤務地・賃金、5学歴/資格、6経歴、7自己PRと登録していって完了です。
ハローワークの求職者登録には有効期限があります!
雇用保険の失業給付等を受給中の場合以外は、求職登録日の翌々月の末日まで(この表現の仕方がお役所仕事的で分かりづらい!)となっています。
企業側の求人票の掲載も3ヶ月で更新しないと消えていくので、同じ周期ということみたいです。
ハローワークで転職をするメリット・デメリット
ハローワークで転職をするメリット
ここまでの流れでお察しの通り、膨大な求人の中から仕事を探すことができるのが最大のメリットです。
とくに所轄のハローワークごとに求人を受け付けているため、地元に密着した掘り出し物求人に出会う可能性があります。
また、転職サイトの求人情報比べて、地味で見づらい『求人票』なのですが、逆に言えば過剰な宣伝文句に騙されることはありません!
転職サイトの企業紹介ページで微笑んでいたあの美女はその会社にはいないのです!(笑)
(最近は社員を使ってリアリティを出す企業も多いですが、モデルの場合も多いですよね)
ハローワークの情報は地味な分、虚偽や、虚偽でなくとも過剰演出がないのです。
なぜなら前記の通り、虚偽の内容を掲載したことが判明すると、ハローワークの登録から抹消されます。
すると中途採用はおろか、新卒採用さえもできなくなってしまうことは企業にとって致命的なダメージだからです。
間違ってブラック企業に就職してしまう可能性が低いと言えます。
✓ 膨大な求人数
✓ 地域に密着した求人が多い
✓ ブラック企業の可能性が低い
ハローワークで転職をするデメリット
ハローワークは凄く進化していて、時代についていこうと頑張ってくれているのですが、お世辞にも求人サイトが見やすい・使いやすいとは言えません。
公共機関のシステムだからある程度仕方がありません。使い慣れれば大丈夫です。
また、窓口で相談した場合、相談員によって対応にばらつきがあります。
わたしも求人掲載をハローワークの窓口で頼むことがありますが、親身になってくれる方と業務的な方と様々です。
個人の見解ですが、女性のベテラン職員さんの方が丁寧に対応してくださる方が多い様な気がします。もちろん担当者は選べません!(笑)
それと、ハローワークの求人は地元企業・中小企業が中心なので、大企業・専門職の求人は少なめです。
有名一流企業にお勤めするキャリアと能力をお持ちの方は一般転職サイトに登録をしてエージェントが持ってきてくれる求人の中からセレクトした方が早いです。
✓ 求人サイトが簡素・使いづらい。求人票が見づらい・地味
✓ 窓口の相談員の対応にどうしても個人差がある
✓ 大企業や専門職の求人は少ない
ハローワークでの転職が向いている人・向いていない人
ハローワークでの転職が向いている人
ハローワークで転職するメリットでもありましたように、地元密着・中小企業での転職をお考えの方には最適です。
また、どんな仕事に就いたら良いのか分からない人、自分の方向性が見いだせていない人にも最適です。
膨大な求人数から様々な仕事の求人票が見られます。
また、就労困難者に向けての支援が充実しています。
何年か前から話題となっている就職氷河期世代向けに始まり、シニア世代向け、新卒・既卒・第2新卒向け、子育てしながらお仕事のマザーズハローワーク、障がい者さん向け、外国人さん向けなどそのカテゴリーごとに支援体制があります。
そして、ハローワークの重要な機能である職業訓練(ハロートレーニング)の斡旋があります。
現在ではハローワークインターネットからハロートレーニングコース情報の検索もできるので便利になっています。
ハローワークでの転職が向いていない人
ハローワークで転職するデメリットでもありましたように、大手企業・一流企業・有名企業志向の方にはあまり向いているとは言えないでしょう。
また、そういった大企業の求人の数は多いとは言えません。逆にその辺は大手転職サイトの得意とするところなので、そちらに登録をしてエージェントからの紹介を待っている方が得策ですね。
また、ハローワークは本来国民の就業率の向上に努めるのが役割で、特に失業中の方の支援をするのが重要な役割です。
在職中の方の場合は、ハローワークインターネットでどんな仕事があるのか探すのは良いのですが、実際に求人に応募する場合は現職の退職日時の決定が前提となる場合が多いので注意が必要です。
ハローワークを利用する際の注意点
ハローワークの窓口の利用は平日の8:30~17:15までとなります。
在職中の人が窓口に通うには難しい時間帯ではありますが、求人検索だけならハローワークインターネットで24時間利用できますね。
在職中の方は基本的にハローワークに行く必要はありませんが、実際にハローワークに行くとピックアップ求人や各種職業訓練や給付金などの情報が盛りだくさんに紹介されているので、わざわざ出向いてハローワークの端末(パソコン)を利用してみるのも良いですよ。
思わぬ情報を仕入れられるかもしれません。
服装や持ち物なども特に気にする必要はないので、転職を考えている人は何かのついでに一度お近くのハローワークに行ってみると良いです。
ハローワークを上手に使って転職をするコツ
転職といえば一昔前なら求人誌、最近では転職サイトを登録して求職活動をするのがスタンダードな流れになっていると思います。
それにプラスしてハローワークに登録するか、登録までしなくてもハローワークインターネットのマイページを開設して転職サイトと並行して求人を検索することをおすすめします。
わたしの勤務先の会社でも、ハローワークは3ヶ月単位で求人更新すれば無料で使い続けられるので求人を継続して出しっぱなしにしています。
しかし、時々退職者が増加したり新規事業の為人員の補強が必要になった時などには、リクナビNEXT、マイナビ転職、dodaなどの求人サイトに有料で広告を出すか、indeedを有料運用して自社サイトの求人ページの露出を増やすように運用したりします。
つまり、企業側もハローワークと求人サイトの併用で求人を募集するので、求職者もハローワークと求人サイトを併用して求職活動をするのが良いのです。
求人サイトに登録をして、良い求人があると思ったら同じ会社の同じ求人がハローワークインターネット上にもあるのか探してみてください。
同じ企業の求人が双方にあったら、転職サイトの求人条件とハローワークの求人票を見比べてみてください。
表現の仕方に違いがあったとしても、給与・労働時間・休日日数などは同じはずでなければならないのでチェックしてみてください。
ハローワークと転職サイトの使い分け方
もちろん、ハローワークと転職サイトのどちらかにしか求人を出していない企業も多いです。
両方求人が出ている企業があれば見比べてみるのも良いですし、幅広く求人を検索してみるという意味でも、求職者にとってはどちらも無料で登録できる媒体には違いありません。
使い分けると言いうよりは両方登録をしてみよう!
エージェントも登録して幅広く求人の相場観を見定めると良いでしょう!ハローワークを使って在職中に転職をする まとめ
ハローワークは公共機関ですが、使いやすくなるように常に進化しています。
ハローワークインターネットが開設されたことにより格段と使いやすくなり、その機能はまだ進化しています。
なんと!企業が求職者のデーターを検索して応募のアプローチをかける『リクエスト機能』(画像右中)も始まりました。
性別・年齢が非公表というところが公共機関ならではの重要な縛りですが、その他の情報は本人の可能な範囲で公開すれば企業からのオファーを受けることも出来るのです。
これはもはや転職サイト並の機能ですね!残念ながら、この機能の認知が求人者にも企業にも浸透していないのでほんとうにもったいないです。
しかしながら、ここまで進化を遂げている、ハローワークを在職中の転職活動で使わない手はありませんね!