103万円の壁という不合理なものを何で廃止しないのかと思っていました。
なぜなら毎年年末になると小売店や飲食店の店長は103万円の壁のせいで、アルバイト・パートが「親や旦那からもう働くなと言われた」と言ってシフトに入らなくなり困っているからです。
これからが年末の書き入れ時なのに!
2024年10月24日の衆議院選挙前に103万円の壁引き上げを公約の争点にしているのは国民民主党だけでした。
与野党の大物政治家やテレビの解説者たちもよくわかっていないんです。
「何でこんなちっさなことがそんなに問題なのか?」と。庶民と感覚が違うんですよ。
何でそれやらないといけないの?とブルジョア(古!)さんたちは思ってます。
問題なのは税金の控除でトクするかソンするかだけのことじゃないのです。
ニホンは人手不足と騒いでいますよね。
なのに、もっと働いて稼ぎたいと思っている学生や主婦の労働意欲にブレーキをかけて、小売店や飲食店の店舗の現場を廻らなくしていることが一番の問題なのです。
だから現場の店長さんたちが一票を投じたのだと思いますよ。
103万円の壁の廃止・引き上げ:国民民主党の提案とその影響
✓ 103万円の壁が廃止・引き上げ背景と理由
✓ 壁の引き上げによる減税効果と税収減
✓ 壁の引き上げが企業と労働者に与える影響
103万円の壁が廃止・引き上げ背景と理由
親や夫の扶養に入っている学生や主婦パートが年間103万円以上を稼いだ場合、その親や夫の扶養控除から外れてしまい、親や夫の税金が増えてしまうのが一番の問題であったわけです。
しかも、最低時給が毎年50円上がっていてインフレ傾向の相場なのであっという間に103万円に到達してしまう。
1995年に103万円と決めてから上限は28年上がっていない。
1995年の最低賃金の全国平均が611円で、2024年の最低賃金の全国平均が1055円なので1.72倍。
だから103万円の壁も1.72倍の178万円に引き上げようというのが国民民主党の主張です。
1995年以前は、物価の上げ幅で年収の壁の金額を対応していたということです。
2024年の物価は1995年対比で1.13倍なので、103万円×1.13=116万円に壁を引き上げれば良いという意見があります。
116万円÷1055円=1099時間<172万円÷1055円=1630時間ということで531時間もハタラける時間が違うのです。
この労働力をミスミス失っていることこそ問題であるということが分かっていない!
ウラを返せば、物価の上げ幅よりも最低時給の上げ幅が大きすぎるから問題なんじゃないですかね?
壁の引き上げによる減税効果と税収減
103万円の壁を178万円に引き上げると、8兆円の減税になるということです。裏を返せば国としては8兆円税金が減収になるということでもあります。
ということです。
年収が高い人のほうが減税金額が大きいので「金持ち優遇だ!」といいますが、比率は低いですよね。
8兆円の税収減は、毎年の余剰税収がそれくらいあるのと、インフレでの増収でそれくらいはまかなえるということです。
そもそも、税収減を問題にする人たちはただ反対のための反対をしたいだけの人たちです。
年収の多いヒトの方が減税額が多いので金持ち優遇だとか恥ずかしい奇弁ですね。
ニホンは人手不足なのにハタラきたいヒトが待機していて、経済を廻す機会を逸しているという不健全な状態が最大の問題なのです。
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壁の引き上げが企業と労働者に与える影響
小売業・飲食業などの労働集約型の企業は壁が引き上げられれば大喜びです。
年末の書き入れ時に学生アルバイト・主婦パートが働けなくなるというアホらしい仕組みがなくなるからです。
学生アルバイト・主婦パート自身も収入を増やせるので大歓迎です。
ニホンは人手不足で大騒ぎをしているのに、ハタラきたいヒトがハタラくことにブレーキをかける制度を今まで放置していたことが問題なのです。
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103万円の壁廃止・引き上げ、学生やパートにとっての意味
✓ 扶養範囲変更による学生の社会保険加入の可能性
✓ パート労働者への待遇と収入への影響
✓ 103万円の壁廃止・引き上げで考えられるメリットとデメリット
扶養範囲変更による学生の社会保険加入の可能性
税金の壁である103万円の壁が178万円に上がっても、社会保険の壁である106万円の壁が今度は立ちふさがります。
しかし基本的に学生は社会保険の対象外なので問題はありません。社会保険料の財源確保のためというこじつけで、変に対象範囲を広げないことを願います。
→2024.11.8 厚生労働省は106万円の壁撤廃をする方向で最終調整に入ったという事です。
これは同じ壁でも撤廃さることによって社会保険の加入範囲が広がるため、逆に労働意欲を失わさせることにつながる改悪です。
この時期に同じ壁問題ということで、よくわからないヒトたちに相手に便乗しているようにしか思えません!
厚生労働省も年収の壁支援強化パッケージというのをやってくれていますが、認知度の低さとキャリアアップ助成金なので企業が助成金を受けてそれを労働者に還元する仕組みということで、これどうなんですかね?
パート労働者への待遇と収入への影響
正社員としてハタラかない・ハタラけない主婦パートでも「おこづかい程度を稼げればいい」という人は少ないはずです。
パートの範囲でも「できるだけ家計の足しになるようにめいいっぱいハタラキたい!」というヒトがほとんどのはずです。
その庶民感覚とともに、企業の人材確保・女性の社会進出という意味でも103万円の壁の廃止・引き上げは意味があるのです。
103万円の壁廃止・引き上げで考えられるメリットとデメリット
メリット
✓ 企業が労働力を確保できる
✓ 企業は人手不足による機会ロスが減り売り上げが増える
✓ パート・アルバイト労働者の収入が増える
✓ 労働者にとって減税になる
✓ 女性の労働機会・社会進出が増える
デメリット
✓ 税金が減収になる
✓ 学生がバイトしすぎて学業がおろそかになる(笑)
✓ 主婦が働きすぎて家事がおろそかになる(笑)
✓ 主婦が働きすぎて子供の世話がおろそかになる(笑)
✓ おつぼねバイトの出勤率が上がりよりエバられる(怖)
103万円の壁廃止・上限引き上げのFAQ
✓ 103万円の壁が廃止・引き上げされた場合、私の手取りはどうなるのか?
✓ 103万円の壁の廃止・引き上げはいつから実施されるのか?
✓ 103万円の壁が廃止・引き上げされた場合、自由に働けるようになるのか?
✓ 103万円の壁が廃止・引き上げされる国民民主党の提案は本当なのか?
✓ 年収103万円以上の場合の扶養に関する影響は何か?
✓ 103万円の壁廃止が学生にどう影響するのか?
✓ 年収130万円、150万円の壁についても確認すべきか?
✓ 廃止後の労働市場への影響はどのように予測されているのか?
103万円の壁が廃止・引き上げされた場合、私の手取りはどうなるのか?
178万円まで引き上げられたらそれまで所得税がかからないということなので、まるまる手取りの収入が増えておトクです。
103万円の壁の廃止・引き上げはいつから実施されるのか?
2024年末の税制改正で2025年度税制改正大綱への反映されるように国民民主党は働きかけています。
つまり来年からですかね。
→2024.11.8現在、民意を考えず政争の具にしようとしている方たちがいるので一筋縄にはいかなそうです。
103万円の壁が廃止・引き上げされた場合、自由に働けるようになるのか?
1年間の収入合計がが178万円になるまでは税金を取られること、親や旦那の税金が増えることを考えずにハタラくことができます。
厚生労働省が社会保険の106万円の壁のを撤廃しようとしてますが、何か壁の撤廃はいいことのような論調の時に便乗ですかね?
この壁が撤廃されると社会保険の加入要件が広がり、また主婦パートのハタラき控えにつながります。
撤廃しようとしている社会保険加入要件
✓ 年収106万円以上
✓ 従業員51人以上の企業
残る社会保険加入要件
✓ 週20時間以上の勤務
✓ 学生ではないこと
つまり、学生以外は週20時間以上勤務で社会保険に加入しなければならなくなります。
せっかく103万の壁の上限が上がっても、また別のブレーキが掛けられようとしています。
103万円の壁が廃止・引き上げされる国民民主党の提案は本当なのか?
かなりの本気度で提案されていますね。
いろんな争点がありましたが、庶民国民一般ピープルが一番望んでいたことはこのことだったのが結果に出ています方ね。
年収103万円以上の場合の扶養に関する影響は何か?
103万円の壁が178万円に引き上げられることにより、学生や主婦が扶養から外れて世帯主(親や夫・扶養者)の税金が増えることを避けられます。
扶養控除額は19歳から22歳が大きく所得税63万円・住民税45万円が控除されます。
例えば扶養者の所得税の税率が10%なら63,000円、住民税も一律10%で45,000円ということで合計年間で108,000円の税負担から逃れられるのです。
103万円の壁廃止が学生にどう影響するのか?
よりバイトに精を出すので学業がおろそかになるかもしれません。(笑)
しかし、物価が上がっている分は稼いでもらわないと親も面倒見切れません。
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年収130万円、150万円の壁についても確認すべきか?
130万円を超えると働き方に関わらず、自分自身で社会保険に加入しなくてはならなくなります。
150万円を超えると配偶者特別控除が満額になります。201万円の最後の壁まで扶養者の税負担が段階的に増えていきます。
最後の壁201万6000円をこえると配偶者特別控除もなくなりあらゆる優遇措置がなくなるということです。
というのが現行の制度です。
103万円の壁の上限を178万円に上げたら、これらの壁との連動も考慮してもらわないといけませんね。
2024年末の税制大綱で扶養控除についても議論するという事です。
廃止後の労働市場への影響はどのように予測されているのか?
ハタラキ止めをしていた主婦・学生が上限を気にせずハタラいてくれるようになるので、人手不足の一部は解消されます。
労働力が増えることは経済に活気を生む要因になるはずです!
国民民主党が提案する103万円の壁廃止・引き上げ案の詳細解説のまとめ
103万円の壁が178万円に上がることで、いわゆるアルバイトの労働力市場に依存している小売業や飲食業などの実店舗営業の形態の企業はほんとうに助かりますね。
機会ロスによる売り上げ減少も解消され、より経済が回っていく。
人手がいれば今まで自分の休みを犠牲にしてハタラいていたシャイン・店長なども休みが取れる。ということで、労働集約型の企業にとっていいことづくめです。
ハタラく機会が増えることが、経済を好循環させるのは間違いないですよね!
困っている現場の方たちの投票の結果が民意としてあらわれたわけなので、税収が減るだの四の五の言っていないで実現させて欲しいですね。