うちのカイシャなんかおかしいのだけど、客観的に見てどうなの?
ブラック企業の中の人は感覚がマヒしてくるので、ブラックなのかブラックではないのか分からなくなってきます。
若い頃、最初の頃は仕事を覚えるのに夢中です。
使えない人間と思われないように、自分の承認欲求が満たされるように必死で働きます。
でも、学校でも会社でも基本的な労働の基準は教えてくれないので、今いる会社がブラックなのかブラックではないのかよくわからないまま働き続けます。
✓ なんか、労働時間が長いけどサービス産業なのでしょうがないのかな?
✓ 自分の担当先の売上が悪いのは自分のせいだから自腹で多少の補填も仕方ない。
✓ 上司が時代対応で暴言には気をつけているが、圧が強くて耐え難い。
この記事では、ブラック企業で働く現役ブラックサラリーマン部長がブラック企業の本質に迫ります。
✓ 自分の会社がブラックな気がするけど判断基準が良くわからない
✓ 住宅ローンと子供の大学進学でうかつな転職はできない。
✓ 高年齢と自分のスキルの低さで今の会社から逃れられない。
たいがいの場合、高度成長期の昭和の時代なら当たり前だったブラックな慣習が今でも残っていることによります。
昭和の高度成長期を経験した方たちが今の世の会社の幹部をしている場合がほとんどなので、彼らに悪気がないところがさらに罪深さを作ります。
それでは、令和では『アウト~!』になる、ブラックな慣習を検証します。
正しいあり方とあなたが逃れるための対策も指南しますよ!
やばい会社・ブラック企業のあるあるは?
厚生労働省においても、ブラック企業に明確な定義は示していません。
一般的にブラック企業に言われている7項目を解説します。
✓ ブラック企業は長時間労働させられる
✓ ブラック企業はサービス残業が多い・残業代がつかない
✓ ブラック企業は休日出勤が常態化している
✓ ブラック企業は有給休暇が取得できない。
✓ ブラック企業は給与が最低賃金を下回っている
✓ ブラック企業は社員の入れ替わりが激しい
✓ ブラック企業は各種ハラスメントが横行する
ブラック企業は長時間労働させられる
労働基準法では週40時間以上の労働は一部例外を除き残業になります。
ただし、36協定で結ばれた範囲内の時間数の残業なら問題ありません。
あと、6時間の労働で45分、8時間の労働には1時間の休憩を与えなければなりません。
このあたりが、慣習でやっていてあいまいな企業がありますよね。
36協定は聞いたことがあっても内容をよく知らない方がほとんどですよね。
自分の会社の36協定を確認すると良いですよ。
ブラック企業はサービス残業が多い・残業代がつかない
労働時間が36協定の範囲内に収まっていても、その残業代が付いていない場合が多いですね。
固定残業代が残業20時間分などと決まっていて、それを超えた分が支払われない。
昭和なら仕事が終わらないのは個人の能力の問題だからなどと言われていましたね。
残業代がしっかり払われている企業の場合は、稼ぐために無理やり残業する社員がいて、企業とイタチごっこでしたよね。
しかしながら令和の現在では、拘束された時間分はキッチリ払われないと違反ですね。
ブラック企業は休日出勤が常態化している
昭和では休日出勤してしかも無給で働いている方は責任感が強くて素晴らしいとうやまい、その方は出世する傾向がありました。
まれに、会社の危機の時もあります。有給での休日出勤ならば良いのです。
ちなみに休日出勤の手当は通常時の1.5倍と労働基準法で決まっています。
ブラック企業は有給休暇が取得できない。
有給休暇はアルバイトも含めすべての雇用労働者に与え有られた権利なのに浸透度がいまひとつですよね。
有給休暇のない企業はありませんし、付与されない労働者もいません。
そして、2019年4月から年に10日以上の有給休暇が付与されている労働者には、必ず5日取得させなけれならなくなったはずなのに良く知らない人も多いはず。
もし、あなたの勤務先が労働者に与えられた有給休暇の日数を明確にして、それをすべて年内に使用させてくれるならそれはホワイト企業ですのでご安心ください。
たいがいの会社は、有給休暇うやむやにします。
『うちは中小企業で人手不足なのだから、みんなが権利を主張して休んだら潰れちゃうよー。』
↑(2)にあるようにアルバイトの方も週の労働日数が1日でも半年で1日付与されます。
ブラック企業は給与が最低賃金を下回っている
最低賃金が時給1000円を超えだして企業が悲鳴を上げています。
でも、『オレ正社員で月給制だから関係ないし!』と思っていたら大間違いです。
単純化すると、基本給(各種手当を除く)÷月の労働時間=あなたの時給
があなたのお住いの都道府県の最低賃金より下回っていたらアウトです。
これもカラクリがあって、労働時間が正確にとらえられているかの問題があります。
わたしの会社でもハローワークよりご指摘があってこれを是正するので初任給が吊り上がりますが、初任給だけ上げるのでわれわれ中高年の給与に変動はありません(泣)
ブラック企業は社員の入れ替わりが激しい
有能な方はすぐに見切りをつけて転職するので、ブラック企業にでも対応できるどこかにブラックな要素を抱えている人材が残ります。
求人が万年出しっぱなしの会社はブラック企業です。従業員が居つかない企業風土か、業界の体質があります。
企業のトップは会社の人手不足の要因は、業界の問題もしくは日本の人口減に伴なう問題にすり替えて、自社の企業風土や経営層の問題とはとらえないので改善の向きはありません。
ブラック企業は各種ハラスメントが横行する
これだけ各種ハラスメントが騒がれる時代になったので、ハラスメント体質の方々もあからさまな態度や言葉には出さなくなりました。
体からにじみ出るハラスメントの体臭は消せないのですが、言質で証拠を残さないように気をつけています。
とくに現代ではLINE上に不適切な言葉を残すと証拠として残ってしまうので一発アウトです。
やばい会社・ブラック企業の特徴は?
ブラック企業には共通する特徴があります。
✓ ブラック企業は精神論が多い
✓ ブラック企業はコンプライアンスの意識が低い
ブラック企業は精神論が多い
有名な語録があります。
『仕事だと思うな、人生だと思え』
『取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは…』
『仕事は頭を使え。頭が使えないものは体を使え。頭も体も使えないものはこの場から去れ』
わたしは会社のヤリ方にフンマンやるかたない気持ちでいっぱいだったころ、会社の会長が寄稿したある言葉に救われました。 駆逐されました。
男の修行
苦しいこともあるだろう
言い度(た)いこともあるだろう
不満なこともあるだろう
腹の立つこともあるだろう
泣き度(た)いこともあるだろう
これらをじっとこらえてゆくのが男の修行である
つまり、黙って文句言わずに働け!ってことですかね。
日本の会社も経営理念やクレドを持って会社経営の精神論を統一しようと図りますが、なんか違うのですよね。
ルール1: The customer is always right! (お客様はいつも正しい)
ルール2: If the customer is ever wrong, reread Rule 1.”
(もしお客様が間違っている(と感じる)ことがあるなら、ルール1を読み返せ)
【アメリカの有名スーパーマーケット スチューレオナルド】
この会社は顧客だけでなく従業員も大切にしていて、フォーチュン誌の『アメリカで働きやすい企業100社』に10年連続ランクインしたそうです。
会社の企業理念の置き所が日本の精神論とまったく違いますね。
カスタマーファーストの精神が結局従業員ファーストにつながっているアメリカの企業はうらやましい限りです。
ブラック企業はコンプライアンスの意識が低い
コンプライアンス(法令順守)という言葉の意味は分かっていても行動がともないません。
昔(昭和)のやり方が染みついているので仕方ないですよね。
時代が『個の尊厳』の重視に流れているのは分かるので、やばいかな?ということも気付くこともあるでしょう。
しかしながら、法律も難しい。多岐にわたる。
企業の利潤を追求するために業界・業務の勉強には余念がありませんが、労務問題に興味はわきません。
労働基準監督局が入って何かしら指摘された場合でも、その時その箇所だけ是正して謝罪と罰金を払えばよいのでそれほど身に沁みません。
労働基準監督局の調査も定期巡回とタレコミがあって、定期巡回はランダムに企業を選んで抜き打ちチェックでまわるのでさほど厳しくはありません。
労働者からのタレコミは疑惑の焦点が明快なので厳しく調べられやすいですね。
でも、労働基準監督局も会社を潰すのが目的ではないので、過労死や精神疾患の実例がでないと本気ではやらないです。
警察が殺人など人の命にかかわらないと本気で動かないのと同じでね。
企業は『手前どもの勉強不足で知りませんでした』と謝って罰金を払えばそれでお終いです。
ブラック企業の体質は、ある意味精神主義の日本人の体質が根本なので根が深いです。
やばい会社・ブラック企業の見分け方 求人情報より
求人情報からブラック企業を見分けられます。
✓ 求人情報の給与の見方
✓ 求人情報の労働時間の見方
✓ 求人情報の休日日数の見方
✓ 求人情報の福利厚生の見方
求人情報の給与の見方
求人情報誌は広告なので、良いことだけ目立つようにピックアップしてレイアウトされるのでだまされてはいけません。
ハローワークの求人票なら『基本給(a)+定額的に支払われる手当(b)+固定残業代(c)+その他手当(d)=給与月額』となり、同じ求人ホーマットにどの企業も当てはめて記載しないといけないので虚偽は書きづらいですよね。
給与が高めの会社は固定残業代込みの場合が多いです。
固定残業代込みで世間様並の給与となっている会社も多いのです。
つまり前提に残業ありきということですね。
また、『〇〇時間を超える時間外労働は法定通りの基準で支給』という記載があればなお安心です。
わたしの所属企業もそうですが(泣)、固定残業を超える残業時間は発生していないものとされている企業も多いのです。
求人情報の労働時間の見方
これも可能なら、ハローワークの求人票もみて確認した方が良いです。
就業時間はどの会社も『8時間』程度と記載されています。
その下の時間外労働時間のところに、固定残業代のある会社なら必ずその分の残業があることになるのです。
そして『36協定における特別条項あり』と記載されていれば、かなりの残業時間がある会社だと断定して間違いないでしょう。法令内のマックスまで残業を可能にするのが36協定の特別条項ですから。
こういうことは口当たりの良い求人サイトには書いていないか、目立たない場所に小さい字で記載されているだけなので注意して見てください。
求人情報の休日日数の見方
1年間は52週間なので、週休二日制の会社なら年間休日日数は104日です。
国民の祝祭日が年間16日あるので足すと120日です。
プラスして1月3日とお盆を3日間休んで年間休日124日なら人間らしく扱ってくれる会社ですね。
さらに付与されている有給休暇を使う権利が本来あります。
地方公務員である私の息子などはこれくらい休んでいますね。
また、年間休日数が100日以上で記載してあってもわたしのようにそれをまったく消化できない場合もあります。
部署や職位によって規定休日をまったく消化できていない人が多々いらっしゃると思いますが、それは入社して見ないと分かりません。(泣)
求人情報の福利厚生の見方
最低限、社会保険に加入されていることを確認しましょう。
これが給与から天引きされていないと手取りは多いですがあとで大変なことになります。
ブラック企業というよりは、できたての小さな会社は労務関係が整備されていないこともあるので気をつけましょう。
退職金共済や企業年金もあるか確認したいです。
中小企業退職者共済というのがあり、社員一人に月5,000円から掛けられます。
企業年金を掛けられる会社だと、国民年金・厚生年金に上乗せする年金がもらえるので、定年後に恩恵に授かれます。
育児・介護・看護の休暇は取得できるテイになっている会社が多いですが、実際に働くとそんな要求をできる空気ではないのが日本企業ですよね。
やばい会社・ブラック企業の見分け方 面接・会社訪問より
ネットで調べるよりも、その会社に行けば一番良くわかりますね。
✓ 会社の外観・内観はどうか
✓ 社員たちの雰囲気はどうか
✓ 面接官の応対・態度はどうか
会社の外観・内観はどうか
求人サイトで美辞麗句を並べていても、実際に会社を訪問して違和感があればその違和感は当たりです。
汚かったり、きらびやかすぎたり、変な場所だったり、人の気配が少なかったり、いろいろありますが何か変?と感じたらやめた方が良いですね。
社員たちの雰囲気はどうか
社外の人が来たらちゃんと挨拶ができるのは最低限ですね。
無視されたりジロジロ見られたりする会社はよしましょう。
面接官の応対・態度はどうか
特に幹部クラスの方は、面接で地が出ちゃっている人が多いです。
相手が今のところお客様だと理解して演技することができないのですよね。
その幹部がその会社のすべてではありませんが、いい人も悪い人もいる世の中で、その悪い人の雰囲気がその会社の悪い部分の象徴なので気をつけたいですね。
面接で圧をかけてくるような人は、仕事においては当然『高圧』をかけてきます。
やばい会社・ブラック企業の見分け方 データ・口コミより
データーや口コミからブラック企業を洗い出します。
✓ 口コミサイトの評価をみる
✓ 厚生労働省のブラック企業リストを見る
✓ 就職四季報の数字を見る
口コミサイトの評価をみる
ネットの口コミの発達で、ある程度の規模の会社ならネットの口コミで社風が分かります。
サイト名 | 特徴 |
---|---|
転職会議 | 口コミ付きの求人情報が閲覧可能。 |
キャリコネ | 口コミ付きで給与明細のイメージを確認できる |
OpneWork | 若い世代の口コミが豊富 |
en Lighthouse | 新着の書き込みがチェック可能 |
どれも会員登録が必要ですが、社員の生の声が聞けるので価値はありますよね。
無料で口コミを見たいならインディードで口コミ欄を見るのも手です。
でもやはり、小さい会社の場合は口コミ自体が集まっていない場合が多いですね。
厚生労働省のブラック企業リストを見る
労働基準関係法令違反に係る公表事案 (令和4年9月1日~令和5年8月31日公表分)
https://www.mhlw.go.jp/content/001150620.pdf
労働基準法に違反して社名を公開された企業の一覧です。
たまたま摘発されてみせしめとなってしまった氷山の一角です。
多かれ少なかれ、日本の大半の企業は何かしらやましいところがあるはずです。
逆にホワイト企業リストは、ユースエール・えるぼし・くるみん・健康経営優良法人などの認定を受けている会社です。
わたしも自社でこの種の認定が取れる軽く調べたことがありますが(笑)、ちょっと申請すれば取得できるような簡単なものではありません。
とてもハードルが高く、本当のホワイト企業でないと簡単に取得できるものではないので、どれかひとつでも取っている企業は意識が高いということで安心ですね。
就職四季報の数字を見る
就活学生用ではありますが、5000社のリアルな数字が開示されていて有益で信頼性の高い情報源です。
給与だけでなく、年間休日数や福利厚生をしっかりチェックしましょう。
ただし、5,000社といえど上位の一部の企業でしかありません。
やばい会社・ブラック企業に入ってしまった場合の対処法
気付いたら自分の会社はブラック企業だった!という人も多いと思います。
✓ 社風を良く見極める
✓ 退職方法を検討する
社風を良く見極める
企業も生き物です。長い年月のうちに変化します。
入社当時はブラックではなかったのに、企業収益が悪くなったり、経営陣が変わったりしてブラックになっていく場合があります。
また、自分の所属部署や自分の上長だけブラックだったりすることもあります。
国内にある企業の総数は421万社ですから、「大企業数は約0.3%で、およそ1.2万社」「大企業以外の中小企業は約99.7%で、およそ419.8万社」と算出できます
日本の同族経営の割合は、世界全体の企業の80〜90%と比較しても極めて高い割合です。
国税庁の会社標本調査によると、2018年度の日本国内の同族企業は256万1133社で、全体の96.3%を占めています。特に、資本金1億円以下の中小企業では9割を超え、1億円超の企業でも約半数を占めています。
日本国内の上場企業の50%超も同族企業です。また、日本国内で100年以上続いている企業の多くも同族経営です。
google 生成AIより
同族経営の中小企業はブラック企業になりやすい体質なので避けなければなりませんが、あっ!無理ですね(笑)
退職方法を検討する
ブラック企業は圧のある上長がいるので退職を切り出すは難しいです。
そして、ストレートを打つのは社会人としてマナー違反です。
大人として方便の使い方を学びましょう。
✓ 同居の親が寝たきりにまたは痴呆になり介護をしなければならなくなった。
✓ 田舎の親が寝たきりにまたは痴呆になり介護をしなければならなくなった。
会社や上司の恨み節を言ったら円満退社にはなりません。
ドライに済ませたい場合は退職代行を使いましょう。
まとめ やばい会社・ブラック企業の見分け方を理解して、脱出・転職
ここまで書いてきたことは、日本の企業のほとんどが、何かしら当てはまることだと思います。
民間企業は利潤を追求しなければ潰れてしまうので必死です。
特に日本は個人主義的価値観が弱いので、全体の利益のためには個人の犠牲はいとわないという風土・文化が根底にあります。
令和になってもこの価値観を引きづっている企業は山ほどあります。
自分のいる会社がブラック企業ということに気が付いたら、潰される前に転職をしよう!