平均勤続年数は何年からホワイトなの?6つの指標と4つのポイントで解説

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転職
葉哲泰          (Ye Zhetai)
葉哲泰          (Ye Zhetai)

転職で失敗したくはないから、転職先の企業がブラックではないのか調べておくことは重要ですよね。

ホワイトブラックかを検証する重要な指標の一つとして平均勤続年数があります。

ハローワークに求人票を出す場合でも企業に求められる指標なので、調べれば分かるしほとんどの企業が公表しています。

令和5年度厚生労働省の毎月勤労統計調査による全産業の平均勤続年数12.4年です。

しかしこの数字はニホンの全産業の合計なので、属性別の平均値をつかむことも大切です。

また、数字の表面には表れない構造不良に陥った?平均勤続年数など、平均勤続年数だけでブラックorホワイトを判断できない企業研究の重要性についても解説します。

この記事を読むと分かること

✓ 属性別の平均勤続年数
✓ 勤続年数をグラフから読み取るポイント
✓ 平均勤続年数以外のホワイト企業探しに必要な数字 
✓ ホワイト企業探しのポイント

属性別の平均勤続年数の6つの指標

✓ 産業別平均勤続年数
✓ 企業規模別平均勤続年数
✓ 学歴別平均勤続年数
✓ 雇用形態別平均勤続年数
✓ 役職別平均勤続年数
✓ 短時間労働者の平均勤続年数

産業別平均勤続年数

                               合計  男  女

鉱業、採石業、砂利採取業     14.5  15.0   11.4

建設業              13.5  14.0   10.7

製造業              14.8  16.0   11.6

電気・ガス・熱供給・水道業    19.0  19.5   16.3

情報通信業            12.2  13.5   9.1

運輸業・郵便業          13.1  13.6  10.1

卸売業・小売業          13.0  14.6  10.3

金融業・保険業          14.3  16.2   12.8

不動産業・物品賃貸業        10.5  11.4  8.8

学術研究、専門技術サービス業    12.0  13.2   9.0

宿泊業・飲食サービス業       9.9  10.9   8.7

生活関連サービス業・娯楽業     11.0  12.4   9.4

教育、学習支援業            11.9  13.5  10.2

医療・福祉               9.5  9.8  9.3

複合サービス業          16.3  17.7 13.5

サービス業(他に分類されないもの) 9.5   10.8  7.2

厚生労働省令和5年度毎月勤労統計調査より作成

平均勤続年数が1番長いのは“電気・ガス・熱供給・水道業”で、1番短いのが宿泊業・飲食サービス業です。

電気・ガス・熱供給・水道業は国の重要なエネルギー源を預かる半官半民?半国有化?企業なので待遇・安定感が抜群なのですね。

逆に、宿泊業・飲食サービス業は人気商売?で安定感のなさが勤続年数の短さにつながっているのですね。

これは、面白いことにというかしかるべくしてそうと言えるのですが、平均年収にも同じように反映されています。

つまり平均年収も、全産業の中で電気・ガス・熱供給・水道業が1番高く、宿泊業・飲食サービス業が1番低くなっています。

▷ 平均年収の統計はおかしい?中央値や条件別にとらえて考えよう

企業規模別平均勤続年数

      合計  男  女

大企業   13.4  15.3 10.1

中企業   12.4  13.8 10.0

小企業   11.3  12.2  9.5

厚生労働省令和5年度毎月勤労統計調査より作成

当たり前のようですが、安定感の高い大企業の方が平均勤続年数も長いですね。

でも思ったほど、大きな差異はありません。

学歴別平均勤続年数

        合計  男  女

高校      13.6  14.8 11.1

専門学校    11.5  13.1  9.6

高専・短大   13.1  15.4 12.2

大学      12.0  13.6  8.2

大学院     11.8  12.5  8.4

厚生労働省令和5年度毎月勤労統計調査より作成

学歴別だと、高卒の方が若い頃から長期間勤務が可能なせいなのか勤続年数が長いですね。

新卒で入社してすぐに辞める若者が話題になりますが、新卒からずっとその会社に居続けるヒトはそのまま生え抜きのエリートとして居続けるのですね。

▷ 本社勤務が勝ち組と言われる理由を探る!求められる重要な能力とは

雇用形態別平均勤続年数

 

           合計  男   女

正社員・正職員    12.9  14.2  10.4

正社員・正職員以外   9.5  11.1  8.3

厚生労働省令和5年度毎月勤労統計調査より作成

当然ですが、正社員・正職員の方が平均勤続年数が長いですね。安定感のある所に勤続年数の長さありと言えます。

ハタラき方の形が変わってきていて、スキマバイトのように1つの企業に長期雇われない選択もあります。

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役職別平均勤続年数

          合計 男  女

部長級   22.5 22.8 19.5

課長級   20.9 21.2 19.3

係長級   17.6 18.0 16.6

非役職者 10.6 11.4 9.4

厚生労働省令和5年度毎月勤労統計調査より作成

これも当然ですが、役職上位者ほど平均勤続年数が長い傾向にあります。

短期で転職を繰り返す場合、自分を高く売れる転職ができれば良いですが、ただやみくもに転職していたのでは勤続年数が短い分役付けも遅くなってしまいます。

転職するなら転職エージェントなどを使って、少しでも自分を高く売るのが得策です。

転職エージェントは企業がお金を払い求職者側は無料で利用できるありがたいものなので使い倒した方が絶対おトクです。

プロに頼んだ方が上位役職での転職や、賃金交渉も頼れますよね。

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短時間労働者の平均勤続年数

厚生労働省令和5年度毎月勤労統計調査より作成

                  合計 男   女

平均勤続年数   6.3  5.2  6.7

月間労働日数   14.4 13.0 14.9

所定労働時間    5.3  5.3  5.3 

女性の方が出産などを経て短時間労働者でいる期間が長いせいか、平均勤続年数も長いですね。

前述のように企業への雇用にとらわれないスキマバイトなどの新しい就業の形が増えているので今後ますます平均勤続年数は短くなるでしょう

今までは企業側の都合が優先だったのですが、今後次第に個人の都合を優先させた働きかたに変わっていくのですね。

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平均勤続年数だけで計れないホワイト企業探しのポイント

✓ 平均勤続年数の計算方法
✓ 企業の創業年数を確認する
✓ 平均勤続年数以外にチェックすべき4つのポイント

平均勤続年数の計算方法

平均勤続年数=現在勤務している全社員の勤続年数の合計÷全社員数です。

そのカイシャのシゴトに熟練したシャインが多いほどカイシャの業務も廻るということを考えても、勤続年数が長い社員が多いというのは大切なことです。

企業の創業年数を確認する

創業間もないスタートアップ企業は、どんなに今風のホワイト企業であっても勤続年数を問うこと自体がナンセンスですよね。

平均勤続年数だけでホワイトと言えない尺度がここにあります。

平均勤続年数以外にチェックすべき4つのポイント

月間残業時間・固定残業代

通常の場合、月間残業時間45時間が上限となっています。

月20日勤務とすると、毎日45÷20=2.25時間の残業となりホワイトとは言えませんw。

そして月間の残業時間の一定分を固定残業代として月給に含ませる企業はブラックの傾向が強いと言えます。

なぜなら8時間を超える勤務時間が前提だからです。

しかもタチの悪いことに、そういう企業は固定残業を超過した分の給与を別途支給しなかったりあいまいにするケースが多いのがニホンのカイシャの実態ですねw。

年間休日日数

週休2日制と謳っていても、なんと!月に1回でも週に2回休みを与えていれば法律上問題ないそうです。

毎週必ず週に2回休みを与えていれば完全週休2日制と謳えます。

1年間は52週間なので、52×2=年間休日104日となります。週に2日休みを与えていれば良いので、国民の祝日・GW・お盆・年末年始などに特別休みを与えてやる必要はありません。

したがって、週休2日制と謳っていてもホワイト企業とは全く言えないので要注意です。

年間休日日数平均有給休暇取得日数をしっかり確認しましょう。

▷ 年間休日105日以下の企業はやめとけ。週休2日制にだまされるな!

▷ 平均有給休暇取得日数は何日からがホワイト企業なのかの検証

口コミ

ここまで紹介した各数字がクリアしていればホワイト企業の可能性はかなり高いです。

しかしながら、いじめ体質ノルマ体質パワハラセクハラモラハラ体質など、数字には表れないけれどブラックな体質の企業もあります。

そのあたりは口コミサイトなどで実態を確認しましょう。

▷ 転職会議で口コミを見る

会社四季報を見る

企業分析に便利なのは会社四季報です。複数の企業をまとめて調べたいなら購入しておいた方が良いですね。

これ1冊あると企業ごとの特徴がよく分かるので社会勉強の教科書にもなるのです。

ホワイト企業の勤続年数が気になるヒトに多い疑問

✓ 平均勤続年数が短い企業でもホワイト企業になりうるのはなぜ?
✓ 平均勤続年数が10年以上の企業はホワイトの基準なの?
✓ ホワイト企業の離職率はどの程度が理想なの?
✓ 平均勤続年数が長い企業にはどんな特徴があるの?
✓ 平均勤続年数が15年以上でもブラック企業は存在するの?

平均勤続年数が短い企業でもホワイト企業になりうるのはなぜ?

前述のようにスタートアップ企業は創業年数自体が短いので将来有望企業であっても平均勤続年数は短くなります。

同じように

✓ 年齢の若い社員の多い企業
✓ 成長しているため大量の新卒を採用している企業
✓ 早期退職を募り企業の若返りを図っている企業

などもあるので転職先を探す場合は、じっくり志望先企業の会社研究をすることが大切ですね。

平均勤続年数が10年以上の企業はホワイトの基準なの?

令和5年度の毎月勤労統計調査における平均勤続年数が12.4年なので、この数字以上でないとホワイト企業と言えないですね。

前章の各統計を見ても分かるように、一般的にも平均勤続年数は10年を超えている企業の方が多いのが実態です。

ホワイト企業の離職率はどの程度が理想なの?

厚生労働省の令和4年度の雇用動向調査によると、離職率

令和3年度 13.9%
令和4年度 15.0%

増えているということです。

離職率は従業員100人の企業で1年間に10人退職したら、離職率10%になります。

明確な基準があるわけではありませんが、ホワイト企業を名乗るなら離職率10%以下でなければなりませんよね。

平均勤続年数が長い企業にはどんな特徴があるの?

✓ 企業が成長している
✓ 成長しているシャインにポストが与えられる
✓ シゴトにやりがいがある
✓ 休日・休息が充実している
✓ 福利厚生が充実している
✓ 給与が充実している・・・。

また、良くも悪くも中小企業で社長が1人1人のシャインの顔が見えていて、家族的な雰囲気の経営ができていれば勤続年数は長くなります。

しかしながら中小企業の多くの実態はその逆ですね…。

▷ 中小企業の2代目社長は頭おかしいんじゃない?という事実の検証

平均勤続年数が15年以上でもブラック企業は存在するの?

わたしの勤務先の地方中小企業も、勤続年数の長い50代シャインがはびこるブラック企業です。

勤続年数の長いシャインが多くても

✓ 働き盛りの30~40歳代のシャインの数が少ない
✓ 大量退職を見越して新卒の採用数が多い
✓ 企業が成長しておらずルーティンワークを繰り返しているだけのロートル(おじさんw)が多いだけ

の企業は平均勤続年数が15年以上でもブラック企業ですね。

▷ JTCとは?JTCおじさんの実態とJTCあるあるを検証 

総括:平均勤続年数は何年からホワイトなの?6つの指標と4つのポイントで解説

結論として、平均勤続年数は令和5年度平均勤続年数12.4年より長ければホワイト企業の可能性が高いと言えます。

それ以外の4つのポイント

✓ 月間残業時間数
✓ 年間休日数
✓ 離職率
✓ 口コミ

なども調べて多角的にホワイト企業なのかを検証しましょう。

 この記事のポイントまとめ

✓ 平均勤続年数12.4年以上からホワイト企業と言える
✓ 平均勤続年数だけでホワイト企業は計れない
✓ 月間残業時間年間休日日数離職率口コミも調べよう
✓ 失敗しない転職には企業研究が大切

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